詰みの前の準備

「寄せ」「詰めろ」「必至」


玉将はいきなり詰みません

王様が我が家を訪問、いきなり王手!⇒絶対に無い

 

地道に序盤⇒中盤と戦い

駒得や敵陣を崩してから

相手の玉将を詰ましにかかります



「寄せ」「寄せる」←終盤戦の将棋用語

「寄せ」の前の作業=戦い

①お互いの攻め駒が敵陣を突破

 自分の陣地だけ突破されると悲しい

②相手の駒を取り

③持ち駒が増える

④相手の玉将の守りが弱くなる

⑤王様周辺へ攻撃開始⇒「寄せ」

↓下の説明は将棋を始めたばかりの人には難しいので、なんとなく局面をながめてください。

どうして「寄せ」と言うのか

 落語の寄席?相撲の寄り切り?



何事も準備と順番が大事

①一方的に敵陣を突破

②一方的に相手の駒を取り

③相手の玉将の守備力を弱める⇒詰めろ&飛車取り

  飛車を取る前に守りの金を1枚取る。

④寄せ=詰みの準備に取りかかる。

6六桂打ちが詰みを狙った手

 7四桂の王手⇒5手詰め

 

詰み=玉将の逃げ場所が無い状態

詰みの手前の状態を

「詰めろ」と言います。

⇒次に詰ますと宣言する。

 声に出さなくてもルール違反ではない!

詰みの手前=詰め将棋の問題図

①は「詰めろ」

 次に2二銀成で詰む

②は「詰み」

③は「相手が気付いて受けた」

 3一玉と逃げて詰みを回避

 ⇒2二銀成には4一玉と更に逃げる

④の玉将は受け無し/次は必ず詰む

 受け無しの詰めろを「必至」と呼ぶ

同じ「詰めろ」でも

 対局中に自分で考えた「詰めろ」⇒○

「詰めろ」が分からず、手番になって気付いた⇒△

 玉将を動かしたら「詰めろ」になって負けた⇒自爆

攻撃側の金銀に近い2一へ進んで詰まされ自爆。

3一でも安全ですが、4一はもっと安全。

 



王手は追う手!

捕まらない王様に王手をすると、逃がしてしまう。

広い場所や安全な場所へ逃がすと、捕まらない。

 

持ち駒が多くても逃がした例

銀が4枚もある。



王様を逃がさない方法は

 無理な王手はやめて「詰めろ」⇒「必至」で王様の動きを制限する。

「詰めろ」⇒「必至」の基本形を簡単に説明します。

金銀で取り囲む=上から圧迫

玉将を下段に落とす

左右からはさみ撃ち

上下からはさみ撃ち


人の道から外れた、中々卑劣な手段だけど。これが将棋に勝つコツです!


「詰めろ」は普通に受ければ玉将は詰まない。=間違った受けをすると詰まされる

「必至」は受けの無い「詰めろ」=次は必ず詰む

一段目の玉将に対して三段目に銀を打ち込んだ場合

・2筋は「必至」

・3筋は「詰めろ」

腹金と腹銀

・腹金は王手だけど王様を逃がす

・腹銀は必至



「王手」と「詰めろ」や「必至」の差

 王手は絶対です。受けなければ負け!

「詰めろ」も受けなければ、次に詰まされるので、強制力のある手です。

 王手の方が「詰めろ」よりも強い手です。

 

「必至」は「詰めろ」に含まれる。

この関係は中学の数学の集合問題で習います。

⇒中学へ進学した時に思い出してね。

 

中学校の数学で習う集合↓



易しい問題を解いてみよう

1手で「詰めろ」がかかります

 詰めろを普通に受けると玉将はピンチを逃れる。

 詰めろを受けなければ玉将は詰む

持ち駒の銀を三段目に打って詰めろになる。

候補は4ヵ所

 

2三銀打が正解。

・次2二銀打で詰み

・2三銀打に3一玉と逃げれば詰まない。

・3三銀打は手抜きして2二銀と打たれても1二玉で逃げられる。

 

欲張ってはダメです。

寄せは地味な手が多い数の攻め。

 

2三歩成が正解。

・次3二金打から詰み

・3一金や銀打の防ぎがあります。 

・5二銀成と飛車を取っても詰めろでない。

 

玉将が二段目に上がるのを邪魔する。

 

4二飛成が正解

・次1二銀打で詰み

・3二や2二に歩を打てば詰みを防げる。

・この場合は2三銀打は詰めろでない。

 

香車を打って成る

 

3三香打が正解

・次3二香成で詰み

・3一歩打で詰みを防げる。

2四香打も詰めろです

 

桂馬を打って成る

 

2四桂打が正解

・次3二桂成で詰み

 

・3一歩打で詰みを防げる。

 

1手で「必至」をかけます

 受からない「詰めろ」が「必至」

 単純な「詰めろ」より少し難しい!

相手の持駒は無し

守りの金を斜め上に誘い

頭金の詰みを狙う

 

▲2三銀打で必至

▽2三同金は▲3二金打で頭金の詰み。

▽4一玉と逃げても▲5二金打→▽3一玉→▲3二銀成で詰み。

 

相手の持駒はたくさん

盤上の銀を進める

王手を2つ用意する

2つの王手は一度に防げない

終盤は駒得より詰み!

 

▲3二銀と進めて必至

次に▲2三銀打と▲2一銀打の2つの王手による詰みを一度に防げない。

 

相手の持駒はたくさん

1三に玉将の逃げ道あり角を離して打って成る。

相手の受けにも対策する

 

▲3一角打で必至

次に▲2二角成で詰み

▲2二角成を防ぐ▽1三銀打には▲2二金打→▽同銀→▲2二角成で詰み

 

相手の持駒はたくさん

腹銀を狙う

相手に2種類の受けあり

 

▲2二銀打の腹銀で必至

次に▲1三金打→▽同桂→▲2一銀不成で詰み。

▽2四歩と逃げ道を作る手には▲3三金→▽同桂→▲1三金打の詰み。

▽2四歩→▲3三金に▽2三金打には▲1三歩打→▽同金→▲同銀成→▽同玉→▲2三金打で詰み。

▽4一飛も▲2一金→▽同飛→▲1三金打で詰み。

 

相手の持駒はたくさん

銀を打って詰めろ

2つの王手を見せる

1つの王手を防ぐと別の王手が受からない。

 

▲3一銀打で必至

次に▲4二角成で詰む

▲4二角成を防ぐ▽5三歩打は▲4二金打で詰み。

▽2四歩と逃げ道を作る手には▲2二金打→▽4一玉→▲4二角成で詰み。

 

相手の持駒はたくさん

角を打ってはさみ撃ち守りの金を狙う

 

▲2一角打で必至

次に▲3二角成→▽6一玉→▲6二と金で詰み。

▽5三金と銀を取っても▲同角成で必至が継続。

▽4二金打は▲3二角成→▽同金→▲4二金打から詰み

 



寄せの流れ

1.相手の玉将周辺の守り駒を除く

2.守りが弱くなって玉将が見えたら

 詰めろや王手を組み合わせて「必至」に追い込む。


※)注意事項

相手を「必至」にしたのに。

反対に詰まされてしまった?

何が悪かった?

 

「必至」にするため飛車を相手に渡した。→渡した飛車を使われて詰まされた。

そこそこ強い人でも、稀にそんな負けをします。

 

「詰将棋」や「必至問題」が解けるようになると、相手の王様だけでなく、自分の王様の「詰み」も考えるようになり、将棋だけでなく人間的な成長もしています。



正しい寄せの流れを理解する。

それで負けたら、

序盤~中盤で挽回不能な差をつけられた。